特定技能 外食は受入れ停止中|今も採用できる3つの道と会社の条件

外食業分野の特定技能1号は2026年4月13日から海外からの新規受入れが止まっています。停止の中身と今も採用できる3つの道、任せられる仕事、協議会への加入など会社側の条件と手続きの順番を公的資料で確認して解説します。
外食業分野の特定技能1号は、2026年4月13日から海外からの新規受入れが止まっています。知らずに海外で面接を進めると入国の許可が出ず、かけた費用が無駄になります。採用できる人と会社側の条件を先に知ることが、損を防ぐ近道です。
押さえることは3つです。
- 海外からの新規採用は今はできない
- 国内の転職者と2号は採用できる
- 協議会への加入は申請の前に済ませる
この3つを押さえれば、無駄な募集費用と申請の不許可を防げます。この記事では、停止の中身から任せられる仕事、会社側の条件、手続きの順番までを説明します。
この記事は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公的資料を2026-11-08時点で確認して書いています。外食業分野の担当は農林水産省で、受入れの上限や停止の運用は同省と出入国在留管理庁が公表しています。
ここがポイント
外食業分野の特定技能1号は上限の5万人に近づきました。そのため2026年4月13日以降、海外からの新規受入れは原則止まっています。一方、国内で働く1号の転職、在留期間の更新、特定技能2号は今も審査されます。採用するなら協議会に先に加入し、国内の転職者か2号を軸に計画を立てるのが現実的です。
特定技能の外食業分野とは|1号の受入れ上限は5万人
特定技能(人手不足の分野で外国人が働くための在留資格)のうち、飲食店などで働く区分が外食業分野です。「特定技能外食」や「外食特定技能」と呼ばれることもあります。担当する省庁は農林水産省で、在留の許可は出入国在留管理庁が審査します。

1号と2号の違い:2号は店舗経営まで任せられる
特定技能には1号と2号があります。1号は即戦力として働く資格で、在留できる期間は通算で原則5年です。2号は熟練した技能を持つ方の資格で、通算の在留期間に上限がありません。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 任せられる業務 | 飲食物調理・接客・店舗管理 | 左の3つに加えて店舗経営 |
| 技能の試験 | 外食業特定技能1号評価試験 | 外食業特定技能2号評価試験 |
| 日本語の目安 | 日本語能力試験N4以上など | 日本語能力試験N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る) |
| 実務経験 | 不要 | 副店長などとして2年 |
| 在留期間の上限 | 通算で原則5年 | 上限なし |
受入れの上限:5年間で1号は5万人
国は分野ごとに受入れの見込数を決めています。外食業分野では2024年度から2028年度の5年間で、1号は5万人を上限として運用します。
分野全体の見込数は5万5,300人です。差の5,300人は、2027年度から始まる育成就労(技能を育てながら働く新しい制度)の枠です。
この上限に近づいたことが、次の章で説明する受入れ停止の理由です。上限は国が人手不足の見込みから計算した数で、会社ごとの枠ではありません。
外食の特定技能が受入れ停止に|2026年4月13日から新規は不交付
2026年2月末の時点で、外食業分野の特定技能1号で在留する方は約4万6千人(速報値)でした。5月ごろには上限の5万人を超える見込みでした。
そのため農林水産省と出入国在留管理庁は、2026年4月13日に在留資格認定証明書の交付を一時的に止めました。在留資格認定証明書は、海外から呼ぶときに入国の前提となる証明書です。
申請の種類ごとの扱い:止まるのは「新規」だけ
止まるのは海外からの新規と、国内の別の資格からの切り替えです。すでに外食業で働く特定技能の方の手続きは続いています。
| 申請の種類 | 2026年4月13日以降の扱い |
|---|---|
| 海外から呼ぶ(在留資格認定証明書の交付) | 不交付 |
| 留学などほかの資格から外食の1号へ変更 | 原則不許可 |
| 外食の1号で働く方の転職(会社の変更) | 通常どおり審査 |
| 給食の技能実習を終えた方・移行準備中の方の変更 | 上限の範囲内で順番に許可 |
| 在留期間の更新 | 通常どおり審査 |
停止前の申請:半年以上の順番待ちが続いている
4月12日までに受け付けた申請は、上限の範囲内で受付順に処理されています。ただし、進み方はとても遅い状態です。
出入国在留管理庁の審査状況によると、海外から呼ぶ申請は2026年2月6日受付分までしか進んでいません。2026年10月16日時点で、3月受付の1,825件、4月1日から12日受付の4,804件などが待っています。
注意
再開の時期は公表されていません。人手不足の状況を見て農林水産省が再開を法務大臣に求める仕組みですが、2026-11-08時点でお知らせは出ていません。外食業特定技能1号評価試験も、国内外ともに当面の間は実施されていません。
外食の特定技能で今も採用できる人|国内の転職者と2号が中心
停止中でも、採用できる道は3つあります。いずれも「すでに日本にいる方」か「熟練した方」が対象です。
道1:外食業で働く特定技能1号の転職者
いちばん現実的なのは、ほかの飲食店で外食業の特定技能1号として働いている方の転職です。会社を変える申請は通常どおり審査され、2026年10月の公表でも「全ての申請」が処理の対象とされています。
ただし、通算在留期間は前の会社で働いた分も合わせて原則5年です。残りの期間を確認してから声をかけましょう。
道2:給食の技能実習を終えた方と移行準備中の方
1つは、技能実習(働きながら技能を学ぶ制度)で医療・福祉施設給食製造を終えた方です。もう1つは、外食業の特定活動(移行の準備中の資格)にいる方です。どちらも上限の範囲内で順番に許可されます。
2026年10月の公表では9月30日受付分までが処理の対象で、それ以降は順番待ちです。許可の時点で枠がなければ、特定活動への変更などを案内される場合があります。
技能実習の方は計画を終えると働けないため、就労開始の2か月以上前に変更の申請を出すよう求められています。
道3:特定技能2号
停止の対象は1号の申請で、2号は含まれていません。要件は外食業特定技能2号評価試験の合格と、副店長やサブマネージャーなどとして2年の実務経験、日本語能力試験N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限ります)です。2027年4月以降の日本語要件の扱いは、出入国在留管理庁が別途示すとしています。
実務経験の場所は、食品衛生法の営業許可を受けた飲食店などです。2名以上のアルバイトや特定技能の方を指導しながら接客を含む仕事をし、店舗管理を補助した経験が該当します。経験を終えてから5年以内が目安で、10年を超えないものに限られます。
外食の特定技能で任せられる仕事|調理・接客・店舗管理の3つ
1号の方には、飲食物調理・接客・店舗管理の3つの仕事を幅広く任せます。期間の一部で調理だけを担当するような配置はできますが、関連業務だけをさせることはできません。
| 仕事の種類 | 例 |
|---|---|
| 飲食物調理 | 仕込み、加熱・非加熱の調理、盛り付け |
| 接客 | 案内、注文、配膳、会計、予約受付、苦情対応 |
| 店舗管理 | 衛生管理、シフト管理、発注・検品、メニュー企画 |
| 関連業務(付随的なら可) | 店で使う農産物の生産、調理品以外の物品販売 |
働ける店:持ち帰り専門店や配食、給食の現場も対象
対象は飲食サービス業を行う事業所です。食堂やレストランのほか、持ち帰り専門店、仕出しや弁当の配達、ケータリングや給食事業所も含まれます。宿泊施設内の飲食部門や、医療・福祉施設の給食部門で働くこともできます。
一方、小売店に卸す目的で作る仕事は飲食サービス業に当たらず、対象外です。自社の業務が外食業分野に当たるか迷うときは、農林水産省の外食・食文化課が問い合わせ先です。
任せられない仕事:接待は関連業務でも禁止
風俗営業法(飲食店の営業の形を定める法律)でいう接待は、どんな場面でも任せられません。接待を行う風俗営業の店で働かせることもできません。
例外は旅館・ホテル営業の許可を受けた施設で、宴会場のあるホテルのレストランなどでは働けます。その場合も接待は禁止で、防止マニュアルと誓約書を協議会に提出します。
外食の特定技能で会社側に求められる条件|協議会加入は申請の前
会社側の条件は、全分野共通のものと外食業だけのものがあります。どれか1つでも欠けると許可が出ません。
条件1:食品産業特定技能協議会に申請の前に加入する
外食業分野の会社は、食品産業特定技能協議会(農林水産省と業界団体などで作る組織)に在留の申請をする前に加入します。申請は農林水産省の協議会のページにあるWEBの加入申請フォームからで、誓約書と営業許可証の写しなどを送ります。
費用は当面無料ですが、審査に2〜3か月かかります。2人目以降の受入れで改めて加入する必要はありません。
条件2:直接雇用で、給与は日本人と同等以上
雇用は直接雇用に限られ、派遣では受け入れられません。給与は同じ仕事をする日本人と同等以上とし、外国人であることを理由に待遇で差をつけてはいけません。
契約を結ぶ前に、昇進の道筋を示すキャリアアッププランを書面で渡して説明することも外食業だけの条件です。本人から求められたら、実務経験を証明する書面も交付します。
条件3:1号の方への支援と毎年の届出
1号の方には、生活や仕事の支援計画を作って実行します。内容は事前の説明、空港の送迎、住まいの確保、生活の案内、日本語学習の支援などです。相談対応、日本人との交流、転職支援、定期面談も含まれます。
自社でできなければ登録支援機関(支援を代行する登録済みの事業者)に委託します。その機関も協議会の構成員である必要があります。受入れ後は年1回の定期届出と、契約の変更などから14日以内の届出が続きます。
外食の特定技能の手続き|国内の転職者を迎える6つの手順
今できる採用の中心は、国内で働く外食業の特定技能1号の転職者です。その場合の順番は次のとおりです。
- 協議会に加入する。 未加入なら最初に申請します。審査に2〜3か月かかるため、採用活動と並行して進めます。
- 本人の在留カードと残り期間を確認する。 通算5年のうち何年使っているか、在留期限はいつかを見ます。
- 雇用条件を決め、キャリアアッププランを書面で渡す。 給与は同じ仕事の日本人と同等以上にします。
- 支援計画を作る。 自社で行うか、協議会に加入している登録支援機関に委託するかを決めます。
- 在留資格変更許可申請を出す。 転職は会社が変わるため、地方出入国在留管理官署への申請が必要です。許可が下りてから働き始める段取りにします。
- 年1回の定期届出を続け、契約の変更などがあれば14日以内に届け出る。 届出は会社の義務で、忘れずに続けます。
外食の特定技能の注意点|よくある失敗は3つ
失敗1:海外で面接してから停止を知り、費用が無駄になる
2026年4月13日以降に受け付けた海外からの申請は不交付です。それを知らずに現地の面接や送り出しの準備を進めると、支払った費用は戻りません。
停止前に申請した分も、2月6日受付分までしか進んでいません。「停止前に出したから大丈夫」と考えて、入社日を固定した計画を立てないでください。
失敗2:協議会に未加入のまま申請して不許可になる
協議会への加入は申請の前が条件で、加入していないと基準を満たさず受入れができません。審査に2〜3か月かかるため、採用を決めてから申請すると入社が大きく遅れます。
登録支援機関に委託する場合は、その機関が協議会に加入しているかも確認します。加入証が出ても、上限の関係で受入れができない場合がある点にも注意が必要です。
失敗3:接待に当たる仕事を任せて除名される
協議会が接待をさせたと認めた会社は除名され、その事実が公表されます。除名されれば基準を満たさなくなり、受入れを続けられません。
宴会場を持つ旅館やホテルは、防止マニュアルの整備と従業員の皆様への説明を欠かさないでください。接待の定義は警察庁の通達で決まっており、自社の判断で線引きしないことが大切です。
注意
本人や家族から保証金を取ることや、違約金を定める契約は禁止されています。紹介した人や前の会社が保証金を取っていないかも、会社が確認する必要があります。
よくある質問
特定技能の方を採用するのに、人材紹介会社に頼むしかありませんか
制度上、紹介会社の利用は条件ではありません。ハローワークや自社の求人、働いている方からの紹介でも採用できます。どの経路でも、協議会への加入と支援計画は会社側の責任で行います。
2027年4月に始まる育成就労で、外食の採用は再開しますか
育成就労は特定技能1号とは別の制度で、外食業分野の見込数は2027年度から2年間で5,300人です。技能を育てる前提の制度で、即戦力の採用に代わるものではありません。1号の停止を解くかどうかは、人手不足の状況を見て農林水産省が別に判断します。
特定技能1号の方が5年を迎えたら、必ず帰国しますか
1号の通算在留期間は原則5年ですが、2号に移れば上限なく働けます。2号の試験に不合格でも、一定の要件を満たせば通算6年まで在留できる扱いがあります。2号を目指す方には、副店長などの役職を辞令で命じ、実務経験の証明書面を会社が交付します。
まとめ
外食業分野の特定技能1号は上限の5万人に近づきました。そのため2026年4月13日から、海外からの新規受入れが止まっています。再開の時期は決まっておらず、停止前に出した申請も順番待ちが続いています。
今できる採用は3つです。国内で働く外食業の特定技能1号の転職者、給食の技能実習を終えた方や移行準備中の方、そして特定技能2号です。どの道でも、協議会への加入を申請の前に済ませ、直接雇用と日本人と同等以上の給与を守ることが前提になります。
任せられる仕事は調理・接客・店舗管理で、接待だけはどんな場面でも禁止です。制度は今後も動くため、申請の前には出入国在留管理庁と農林水産省の最新の公表資料を確認してください。
この記事のまとめ
- 外食の特定技能1号は2026年4月13日から海外の新規受入れが停止中
- 採用できるのは国内の転職者・給食の実習修了者・2号の3つの道
- 協議会への加入は申請の前、給与は日本人と同等以上、接待は禁止
出典・参考にした公的資料
- https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/03_00001.html
- https://www.moj.go.jp/isa/10_00259.html
- https://www.moj.go.jp/isa/03_00176.html
- https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/foodservice.html
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001473494.pdf
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001469062.pdf
- https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00179.html
- https://www.moj.go.jp/isa/10_00233.html
- https://www.moj.go.jp/isa/content/930004944.pdf
- https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/gaikokujinzai.html
- https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/kyougikai.html
制度は改正されることがあります。手続きの前には、必ず最新の公的情報をご確認ください。


