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ビルクリーニング特定技能の要件と手順|会社側は営業所登録と協議会加入

ビルクリーニング特定技能の要件と手順|会社側は営業所登録と協議会加入

ビルクリーニング特定技能で外国人を雇う会社の条件(営業所の登録・協議会加入・直接雇用)、本人の試験と日本語の要件、任せられる仕事の範囲、受入れまでの手順、2027年の変更点を公的資料をもとに解説します。

清掃の現場で外国人を雇おうとして、受け入れる営業所に都道府県の登録がないと申請直前に気づく会社があります。登録は営業所ごとで、無ければ在留資格(日本で働くための資格)の申請ができません。派遣の形で受け入れると、その後5年間は受入れが止まります。

押さえることは3つです。

  • 会社は営業所の登録と協議会加入が必須
  • 本人は技能試験と日本語試験(日本語能力試験N4以上など)の合格
  • 任せられるのは建物内部の清掃が中心

この3つを先に確かめれば、申請のやり直しや、認められない仕事を任せてしまう事故を防げます。この記事では、1号と2号の違い、会社と本人の条件、仕事の範囲、受入れまでの手順、2027年の変更点まで説明します。

この記事は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公的資料を2026-11-08時点で確認して書いています。この分野の運用方針は2026年1月23日に、運用要領は2026年8月28日に改められたばかりです。申請の前には最新の公的ページも確認してください。

ここがポイント

ビルクリーニング特定技能は、建物内部の清掃を担う外国人を直接雇用で受け入れる制度です。会社側は、建築物清掃業などの都道府県知事登録を受けた営業所で受け入れ、厚生労働省の協議会に申請前に加入します。本人は技能試験と日本語試験に合格する必要があります。ビルクリーニング職種の技能実習2号を良好に修了した人は両方の試験が免除され、ほかの職種の技能実習2号を良好に修了した人は日本語試験だけが免除されます。

ビルクリーニング特定技能とは|建物内部の清掃を担う2段階の資格

特定技能は、人手が足りない分野で、試験に合格した外国人が働くための在留資格です。ビルクリーニング分野は厚生労働省が担当しています。仕事の中身は建築物内部の清掃で、床・天井・内壁・トイレ・洗面所などが対象です。

ビルクリーニング特定技能の図解
ビルクリーニング特定技能の図解

資格には1号と2号の2段階があります。1号は現場で清掃を行う人、2号は複数の作業員を指導しながら現場を管理する人のための資格です。2号はビルクリーニング分野では2023年6月9日から始まりました。

項目特定技能1号特定技能2号
任せる仕事建築物内部の清掃清掃に加え、複数の作業員の指導と現場管理、計画作成や進行管理
働ける期間通算で5年まで更新を続ければ上限なし
技能の確認1号評価試験(ビルクリーニング職種・作業の技能実習2号を良好に修了した人は免除)2号評価試験または技能検定1級
日本語N4以上またはJFT-Basic A2.2相当以上N3以上(B1相当)
実務経験不要現場を管理した経験2年以上

受入れの枠:1号は2028年度末まで上限3万2,200人

国は受け入れる人数の見込みを分野ごとに決めています。ビルクリーニング分野の1号は、2024年度から2028年度までの5年間で3万2,200人です。この人数が受入れの上限として運用されます。

背景には深刻な人手不足があります。ビル・建物清掃員の2024年度の有効求人倍率は2.34倍です。2028年度には約10万6,400人が不足する見込みと国の資料にあります。

上限を超える見込みになると、新規の受入れを一時的に止める措置が取られることがあります。枠が残っているうちに準備を進める意味は大きいです。

ビルクリーニング特定技能で働ける人の条件|試験2つの合格か技能実習の修了

1号で働くには、技能と日本語の2つの試験に合格する必要があります。技能はビルクリーニング分野特定技能1号評価試験で、建物内部の清掃を自分の判断で手順どおりに進められるかを確かめます。試験はCBT方式(コンピューターで解答する方式)またはペーパーテスト方式で行われ、学科試験と、写真・イラストを使った判断試験による実技試験で構成されています。

日本語は2つの試験のどちらかです。日本語能力試験(JLPT)ならN4以上、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)ならA2.2相当以上です。

技能試験は国内のほか、インドネシア・フィリピン・タイ・スリランカなどでも行われています。試験の日程は厚生労働省の試験案内ページから確認できます。

免除1:ビルクリーニング職種の技能実習2号を修了した人は試験が両方不要

技能実習(働きながら技能を学ぶ制度)の2号をビルクリーニング職種で良好に修了した人は、両方の試験が免除されます。証明には、技能実習2号修了時の技能検定(国の技能試験)3級の実技試験の合格証明書を使います。

この免除は2027年4月1日以降も当面の間続くと運用要領に書かれています。

技能検定3級に合格していない場合は、実習先が作った技能の評価調書を出すか、試験を受けて合格します。

免除2:ほかの職種の技能実習2号を修了した人は日本語だけ免除

職種を問わず技能実習2号を良好に修了していれば、日本語試験は当面の間免除されます。ただし、技能試験は受けて合格する必要があります。別の仕事で来日していた人を清掃で雇いたいときは、この型に当てはまります。

本人の経歴技能試験日本語試験
海外や国内で初めて受ける人必要必要
ビルクリーニング職種の技能実習2号を修了免除免除
ほかの職種の技能実習2号を修了必要免除

ビルクリーニング特定技能を受け入れる会社の条件|営業所の登録と協議会加入が必須

会社側の条件は、国の運用方針と厚生労働省の決まりで定められています。大きく分けると、営業所の登録、協議会への加入と協力、直接雇用の3つです。1つでも欠けると、在留資格の申請が通りません。

会社側の条件中身
営業所の登録建築物衛生法(大きな建物の衛生管理を定めた法律)に基づく建築物清掃業か建築物環境衛生総合管理業の都道府県知事登録を受けた営業所で受け入れる
協議会の構成員厚生労働省が設置するビルクリーニング分野特定技能協議会に加入する
協議会への協力協議会で決まった措置を実行し、国の調査や指導に協力する
実務経験の証明本人から求められたら、実務経験を証明する書面を渡す
雇用の形直接雇用に限る。派遣は認められない

条件1:登録は法人ではなく営業所ごとで、有効期限は6年

知事登録は営業所単位で取ります。本社が登録していても、受け入れる営業所に登録がなければ要件を満たしません。雇用条件書に書く事業所と、登録を受けた営業所は一致している必要があります。

登録の有効期限は6年です。更新を忘れると、その時点で受入れの条件を満たさなくなります。登録の申請先は、営業所の所在地を管轄する都道府県の生活衛生担当部署(保健所)です。

条件2:協議会は申請の前に加入し、費用はかからない

協議会は、特定技能の人を受け入れる会社や業界団体、試験を行う団体などで作る集まりです。会社は、本人の在留資格の申請より前に加入しておく必要があります。加入に費用はかかりません。

手続きはオンラインの申請ページで行います。厚生労働省が内容を確認したあと、必要書類の案内がメールで届き、書類を出すと構成員資格証明書が電子データで交付されます。詳しい流れは厚生労働省の協議会ページにあります。

ビルクリーニング特定技能で任せられる仕事|住宅と外壁の高所作業は対象外

任せられる主な仕事は、多数の人が利用する建物(住宅を除く)の内部清掃です。オフィスビル、デパート、病院、役所、美術館、ホテルの客室、マンションの共用部分が対象になります。機器や設備の内部の清掃は対象になりません。

日本人の清掃員が普段あわせて行う関連の作業は、主な仕事と一緒に行う限り付随的に任せられます。ただし、関連の作業だけを専門にさせることは認められません。

任せられる現場・作業任せられない現場・作業
オフィスビル・デパート・病院・役所・美術館の内部住宅・民泊の清掃
ホテルや旅館の客室清掃(ベッドメイクを含む)マンションの住居部分や退去後の清掃
マンションの共用部分高所作業を伴う窓ガラス・外壁の清掃
建物の外周部(犬走・アプローチ)の清掃ネズミや害虫の防除、廃棄物処理そのもの
資機材倉庫の整備、植栽の水やり、資機材の運搬ホテルの接客やレストランの仕事

2号への準備:複数の作業員を指導する経験は関連業務として認められる

複数の作業員の指導、現場の管理、計画作成や進行管理も、1号の人が行える関連業務に含まれます。これらの経験は、2号に移るために必要な実務経験として認められます。1号のうちから少しずつ任せておくと、2号への道が開けます。

ビルクリーニング特定技能の手続き|受入れまでの流れは6ステップ

受入れまでの流れを順番に示します。会社側の準備である1と2を先に終えておくと、申請が止まりません。

  1. 営業所の登録を確かめる。 受け入れる営業所が建築物清掃業か建築物環境衛生総合管理業の登録を受けているか、有効期限が切れていないかを見ます。無ければ都道府県に申請します。
  2. 協議会に加入する。 オンラインで申請し、構成員資格証明書を受け取ります。登録支援機関(1号の人の生活支援を代わりに行う登録済みの事業者)が代わりに加入申請することはできません。
  3. 本人の要件を確かめる。 試験の合格証明書、日本語試験の合格証明書、または技能実習2号の修了を示す書類をそろえます。
  4. 雇用契約と支援計画を作る。 直接雇用で契約し、1号の人には生活や仕事の支援計画を用意します。支援は登録支援機関に委託できます。
  5. 在留資格を申請する。 海外から呼ぶ場合は在留資格認定証明書(入国前に取る証明書)の交付申請、日本にいる人は在留資格の変更申請です。分野固有の書類として、協議会の構成員資格証明書、誓約書(分野参考様式第2-1号)、営業所の登録証明書を添えます。
  6. 受入れ後の届出と協力を続ける。 働く営業所を変えるときは雇用契約の変更届出が必要です。協議会や厚生労働省の調査には協力し、本人から求められたら実務経験の証明書を渡します。

注意

特定技能の人を派遣で受け入れることも、派遣に出すこともできません。違反すると、出入国に関する法令で不正な行為をしたものとして、以後5年間は特定技能の受入れができなくなります。

ビルクリーニング特定技能の注意点|よくある失敗は3つ

失敗1:本社の登録で足りると思い、受け入れる営業所の登録がない

登録は営業所ごとなので、支店や営業所で受け入れるなら、その営業所の登録が必要です。登録の有効期限6年を過ぎていた、というケースも同じ結果になります。申請前に登録証明書の営業所名と有効期限を確かめてください。

失敗2:協議会の加入を後回しにして、申請が止まる

協議会の加入は在留資格の申請より前が原則です。加入申請のあと、書類の案内と確認を経て証明書が届くまでには時間がかかります。採用が決まってから動くのではなく、受入れを決めた時点で加入手続きを始めてください。

失敗3:認められない仕事を任せて、在留資格の更新で困る

住宅や民泊の清掃、高所の外壁清掃、害虫の防除は対象外です。関連業務だけをさせ続けることも認められません。現場の割り当てを決める人にも対象外の作業の一覧を共有しておくと、現場での勘違いを防げます。

ビルクリーニング特定技能2号と今後の変更|2027年4月から日本語の基準が変わる

2号は、1号で経験を積んだ人が長く働き続けるための資格です。要件は3つです。1つ目は、ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験か技能検定(国の技能試験)1級の合格です。2つ目は日本語能力試験N3以上、3つ目は現場を管理する実務経験2年以上です。

実務経験として認められる現場は2種類です。登録を受けた営業所が行う建物内部の清掃か、特定建築物(延べ面積3,000平方メートル以上などの大きな建物)の清掃です。

そこで複数の作業員を指導しながら現場を管理した経験が対象です。海外での経験は含められません。

経験の有無は試験を実施する団体が確認します。技能検定1級の合格者には実務経験適合証明書が発行され、在留資格の申請でその写しを出します。

変更1:2027年4月1日から2号の日本語はB1相当以上が省令上の要件になる

国の省令が改正され、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書の交付申請では、2号にB1相当以上の日本語が要ります。B1は「日本語教育の参照枠」(国が定める日本語レベルの物差し)の段階の1つです。

すでに日本にいる人の変更や更新の扱いは、出入国在留管理庁が検討中としています。

変更2:2027年から育成就労が始まり、1号への入口が増える

技能実習に代わる育成就労制度が2027年に始まる予定です。ビルクリーニング分野では、2027年度から2年間で7,300人の受入れ見込みが決まっています。

育成就労(原則3年)から1号へ移るには、日本語N4相当と1号評価試験の合格が必要です。1号を飛ばして2号には進めません。

注意

日本語要件の変更は、申請の種類によって始まる時期が異なります。2027年以降に2号への切り替えを予定している人がいる会社は、出入国在留管理庁のお知らせを定期的に確認してください。

よくある質問

受け入れる人数に上限はありますか

あります。1号は2028年度末までの5年間で3万2,200人が上限として運用されます。上限を超える見込みになると、国が新規の在留資格認定証明書の交付を一時的に止める措置を取ることがあります。

別の職種で技能実習をした人を、ビルクリーニングで雇えますか

雇えます。技能実習2号を良好に修了していれば、日本語試験は免除されます。ただし、ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験は受けて合格する必要があります。

2号の実務経験に、母国での現場管理の経験は入りますか

入りません。実務経験として認められるのは、登録営業所が管理する建物か特定建築物での経験に限られます。会社は本人から求められたら実務経験を証明する書面を渡す義務があり、この書面が2号への切り替えで役立ちます。

まとめ

ビルクリーニング特定技能は、建物内部の清掃を担う外国人を直接雇用で受け入れる制度です。会社側は、建築物清掃業などの知事登録を受けた営業所で受け入れ、厚生労働省の協議会に申請前に加入することが必須です。

本人の条件は、1号評価試験と日本語N4以上の合格か、ビルクリーニング職種の技能実習2号を良好に修了していることです(ほかの職種の技能実習2号を良好に修了した人は、当面の間、日本語試験だけが免除されます)。任せられる仕事は多数の人が利用する建物の内部清掃が中心で、住宅や高所の外壁作業は対象外です。

2号に進めば更新を続けて長く働けますが、2年以上の現場管理経験とN3以上が要ります。2027年4月には日本語の基準が変わり、育成就労も始まります。公的ページを定期的に確認しながら進めてください。

この記事のまとめ

  • 会社は営業所の知事登録と協議会加入、直接雇用が条件
  • 本人は1号評価試験と日本語N4以上、またはビルクリーニング職種・作業の技能実習2号を良好に修了
  • 2号は現場管理2年以上とN3以上、2027年4月に日本語基準が変わる

出典・参考にした公的資料

制度は改正されることがあります。手続きの前には、必ず最新の公的情報をご確認ください。