特定技能2号とは|1号との違い・対象11分野・移行の条件をわかりやすく解説

特定技能2号とは何かを、1号との5つの違い、対象となる11分野、1号から移行するための試験と実務経験、会社が行う手続きの順に解説。2027年4月から始まる日本語要件まで、最新の公的資料をもとにまとめています。
特定技能1号で働く方の在留期間は、通算で原則5年が上限です。次の資格を用意しないまま期限が来ると、育てた人材が帰国し、現場の中核が一度に抜けます。採用と教育にかけた時間も、ゼロからのやり直しになります。
押さえることは3つです。
- 2号は在留の上限がなく家族も呼べる
- 対象は介護を除く11分野
- 移行には試験合格と実務経験が要る
この3つを押さえれば、期限切れで人材を失う事態と、申請のやり直しを防げます。この記事では、1号との違い、対象分野、移行の条件、会社の手続き、2027年4月からの日本語要件まで説明します。
この記事は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公的資料を2026-11-08時点で確認して書いています。人数は2026年6月末の速報値です。制度は変わるため、申請の前には最新の公表資料も確認してください。
ここがポイント
特定技能2号は、熟練した技能を持つ方向けの在留資格で、在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同も認められます。対象は介護を除く11分野で、1号から自動では移れません。分野ごとの2号の試験と、人を指導した実務経験の両方が要り、2年以上かかる分野が多いため早めの計画が欠かせません。
特定技能2号とは|在留期間の更新に上限がない熟練者向けの資格
特定技能2号とは、特定の産業分野で熟練した技能を要する仕事に就く外国人向けの在留資格(日本で働くための資格)です。長年の実務で身につけた技能で、自分の判断で専門的な仕事をこなすか、監督者として業務を統括できる水準が求められます。

在留期間は3年・2年・1年・6か月のいずれかで、期限が来る前に更新の申請をすれば続けて働けます。1号にある通算5年の上限は、2号にはありません。
2026年6月末の時点で、2号で在留する方は18,295人です。2025年12月末の7,955人から約2.3倍に増え、特定技能全体の444,256人の中でも伸びが大きい区分です。
2号の仕事内容:1号と同じ作業だけでは認められない
2号の方が就く仕事は、分野ごとの方針で「複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する」などと定められています。例えば宿泊分野なら、複数の従業員を指導しながらフロントや接客の業務に就く形です。
1号や技能実習の方と同じ作業だけを続ける働き方は、2号の活動に当たりません。会社が仕事の与え方を変える必要があります。
特定技能2号と1号の違い|押さえる点は5つ
1号と2号の違いは、技能の水準、在留の上限、家族、支援、永住の5つに集約できます。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能の水準 | 相当程度の知識・経験(試験か技能実習2号の修了) | 熟練した技能(2号の試験+実務経験) |
| 在留期間 | 法務大臣が指定する期間(3年以内)、通算5年まで | 3年・2年・1年・6か月、更新に上限なし |
| 家族の帯同 | 原則認められない | 配偶者・子の帯同(在留資格「家族滞在」)が認められる |
| 支援計画 | 会社か登録支援機関による支援が義務 | 支援の対象外 |
| 永住への道 | 1号の期間は永住要件の就労期間に含まれない | 2号の期間は含まれる |
違い1:家族を呼べるので、定着の基盤が変わる
1号では家族の帯同が原則認められませんが、2号では配偶者とお子さんを「家族滞在」で呼べます。単身で働く前提が変わり、長く日本で暮らす計画を本人が立てやすくなります。
違い2:支援の義務はなくなるが、相談相手は要る
2号は、会社や登録支援機関(支援を代行する団体)による支援の対象外です。1号で求められる支援計画の作成は不要になります。ただし、生活や仕事の相談に応じる体制は、定着のために続ける価値があります。
特定技能2号の対象分野|介護を除く11分野
1号の対象は19分野ですが、2号を受け入れられるのは、そのうち11分野です。介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環の8分野は対象外です。
介護には別の在留資格「介護」があるため、2号の対象外です。建設と造船・舶用工業の溶接区分だけだった対象に、2023年6月9日の閣議決定で9分野が加わりました。2023年8月31日から今の11分野になっています。
| 分野 | 2号の在留者数(2026年6月末) | 補足 |
|---|---|---|
| 建設 | 5,329人 | 最多。有料の職業紹介は建設業務が対象外 |
| 飲食料品製造業 | 4,703人 | 2027年4月から水産加工業の区分が分かれる |
| 農業 | 2,387人 | 耕種農業・畜産農業の2区分 |
| 工業製品製造業 | 2,386人 | 機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分のみ |
| 外食業 | 2,046人 | 店舗管理や店舗経営まで担う |
| 自動車整備 | 670人 | ― |
| 造船・舶用工業 | 644人 | 溶接以外の区分も対象 |
| 宿泊 | 57人 | 複数の従業員を指導しながら接客などに従事 |
| 漁業 | 43人 | 漁業・養殖業の2区分 |
| ビルクリーニング | 24人 | 現場の管理やマネジメント業務を含む |
| 航空 | 6人 | ― |
人数は出入国在留管理庁の速報値です。建設分野で2号の方を雇う場合、有料の職業紹介は建設業務が法律で対象外のため、紹介会社を通じた採用はできません。自社の1号の方を育てて移行する流れが中心になります。
特定技能2号への移行条件|試験の合格と実務経験の2つ
1号を5年務めても、自動で2号には移れません。分野ごとの2号の試験に合格し、定められた実務経験を満たして、在留資格の変更を申請します。試験に合格し実務経験があれば、1号を経ずに2号を取ることもできます。
| 分野 | 試験 | 実務経験 |
|---|---|---|
| 建設 | 建設分野特定技能2号評価試験、または技能検定1級など | 複数の技能者を指導し工程を管理する班長としての経験 |
| 農業 | 2号農業技能測定試験(耕種・畜産) | 指導・工程管理の経験2年以上、または現場経験3年以上 |
| 飲食料品製造業 | 飲食料品製造業特定技能2号評価試験 | 複数の作業員を指導し工程を管理する経験2年以上 |
| 外食業 | 外食業特定技能2号評価試験(旧「技能測定試験」の合格者も合格とみなされる)と日本語能力試験N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る) | 副店長・サブマネージャーなど、複数の従業員を指導しながら店舗管理を補助した2年間の実務経験 |
| 工業製品製造業 | 製造分野特定技能2号評価試験とビジネス・キャリア検定3級の両方、または技能検定1級 | 国内に拠点を持つ企業の製造現場での経験 |
必要な年数や証明の方法は分野ごとに違い、改正もあります。上の表にない分野を含め、申請前に分野の所管省庁の資料で確かめてください。
条件1:日本語は2027年4月から「B1相当以上」が必要になる
2号では、外食業など一部を除き、日本語の試験は要件に入っていませんでした。しかし出入国在留管理庁は、2027年4月1日以降の申請から、2号に「B1相当以上」(国際的な語学力の基準で、身近な話題なら要点を理解して話せる中級の水準)の日本語能力を求めると公表しています。
対象は、海外から呼ぶときの在留資格認定証明書の交付申請です。国内で1号から2号へ変更する申請や、更新の申請への適用時期は「検討中」とされています。
条件2:2号の試験は分野ごとに実施団体と日程が違う
試験は、分野ごとに決められた団体が実施し、日程や会場も分野で異なります。予定は出入国在留管理庁の「試験実施予定一覧表」にまとまっています。実務経験の年数と試験日の両方から逆算し、1号の期限の2年以上前には計画を始めると余裕が持てます。
特定技能2号の手続き|会社がやることは5ステップ
国内で働く1号の方を2号に変える場合、会社が関わる流れは次のとおりです。
- 対象分野と区分を確認する。 工業製品製造業は3区分だけが対象です。分野の協議会(所管省庁が設ける会議体)の構成員になっているかも、申請前に確認します。
- 試験と実務経験の計画を立てる。 本人の受験日を決め、指導や工程管理を任せた記録を残します。会社には、求めに応じて実務経験を証明する書面を出す役割があります。
- 2号としての仕事内容を決め、誓約書を作る。 2026年8月20日以降の申請では「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」の提出が必要です。誰を指導するのか(指導対象者)まで具体的に書きます。
- 在留資格変更許可申請を出す。 1号の在留期限の前に申請します。標準の処理期間は1〜2か月です。2026年10月1日以降に受け付けた変更・更新の申請には、許可される在留期間の区分に応じた手数料がかかります(9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降になっても改定前の6,000円です)。
- 許可後も届出を続ける。 受入れ・活動状況の届出(定期届出)は1年に1回必要で、前年4月1日〜その年3月31日の分をその年の5月31日まで(土日祝日なら翌開庁日)に出します。雇用契約の内容が変わったときも届出が要ります。2号では支援計画の作成は不要です。
特定技能2号の注意点|よくある失敗は3つ
失敗1:期限の直前に動き出して、実務経験が足りない
2号の実務経験は、「複数の人を指導し工程を管理する」立場での年数が問われます。農業や飲食料品製造業では2年以上が必要です。1号の5年目に気づいても、立場を任せた期間が足りず、申請に間に合わないことがあります。
失敗2:2号になった後も、1号と同じ作業だけをさせる
誓約書に書いた仕事内容と実態が違うと、在留資格が取り消される可能性があります。虚偽の記載は、会社が受入れ機関になれなくなる欠格事由にも当たり得ます。
指導する相手が一時的にいない場合の扱いは、2026年10月19日に見直されました。誓約書の所定の欄にチェックを入れ、理由を書いて提出します。
注意
2号の方の仕事は、指導・管理の業務か、自らの判断で行う専門的・技術的な業務が前提です。あわせて、航空機整備区分・漁業・外食業を除き、原則として分野ごとに決められた人数以上を指導している必要があります。指導対象者は原則として同じ事業所・同じ部署に所属している必要があります。配置を変えるときは、誓約書の内容と合っているかを先に確認してください。
失敗3:2027年4月からの日本語要件を見落とす
海外から2号の方を呼ぶ在留資格認定証明書の交付申請は、2027年4月1日以降、B1相当以上の日本語能力が条件になります。国内での変更・更新への適用は検討中のため、公表を待たずに日本語学習の時間を確保しておくと安全です。
注意
日本語の要件は、省令の改正にもとづいて2027年4月1日に施行されます。認められる試験の種類や、変更・更新への適用時期は、申請の前に出入国在留管理庁の最新のお知らせで確認してください。
よくある質問
特定技能2号の方は、永住の許可を受けられますか
受けられる可能性があります。永住には原則10年以上の在留と、そのうち就労の在留資格で5年以上の在留が必要です。1号や技能実習の期間はこの5年に数えられませんが、2号の期間は数えられると出入国在留管理庁が示しています。
1号を経ずに、最初から特定技能2号で採用できますか
高い技能を試験などで確認できれば、1号を経なくても2号を取れると公的なQ&Aにあります。ただし、分野ごとの実務経験の要件は満たす必要があります。2027年4月以降に海外から呼ぶ場合は、日本語B1相当以上も求められます。
特定技能2号にも、登録支援機関との契約は必要ですか
必要ありません。2号は会社や登録支援機関による支援の対象外で、1号で求められる支援計画も作りません。住まいや役所の手続きの相談に乗る体制は、法律上の義務ではなく、定着のための取り組みとして続けるかを会社が決めます。
まとめ
特定技能2号は、熟練した技能を持つ方が、在留期間の上限なく働ける在留資格です。家族の帯同が認められ、永住にもつながるため、1号の5年で人材を失わないための現実的な道になります。
対象は介護を除く11分野で、1号から自動では移れません。分野ごとの試験に合格し、人を指導して工程を管理した実務経験を満たす必要があります。2026年8月からは、2号の仕事内容を書いた誓約書も申請に必要です。
会社の役目は、指導や管理の役割を早めに任せ、その記録を残し、試験の日程から逆算して計画を立てることです。2027年4月からの日本語要件も見据え、1号の期限の2年以上前から準備を始めてください。
この記事のまとめ
- 2号は在留の更新に上限がなく、家族の帯同と永住への道がある
- 対象は介護を除く11分野で、試験合格と実務経験の両方が要る
- 誓約書どおりに指導・管理の仕事を任せ、期限の2年以上前から準備する
出典・参考にした公的資料
- https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/faq.html
- https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/specifiedskilledworker.html
- https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/03_00067.html
- https://www.moj.go.jp/isa/03_00198.html
- https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri06_00103.html
- https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00180.html
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001459490.pdf
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001467866.pdf
- https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/construction.html
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001440511.pdf
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001469550.pdf
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001455464.pdf
制度は改正されることがあります。手続きの前には、必ず最新の公的情報をご確認ください。


