外国人雇用状況届出書とは|対象者・期限・記入項目・出し方と30万円の罰則

外国人雇用状況届出書の対象者、雇用保険の有無で変わる様式と期限、在留カードと会社の記録で書く10の記入項目、紙とインターネットの出し方、離職時の注意、30万円以下の罰則と2026年・2027年の変更点を公的資料をもとに解説します。
外国人を雇い入れたときと辞めたときは、ハローワークへの届出が法律で義務づけられています。忘れたり、うその内容を書いたりすると、30万円以下の罰金の対象です。入社時だけ出して、退職時の届出を忘れている会社も少なくありません。
押さえることは3つです。
- 対象は特別永住者などを除く全員
- 期限は雇用保険に入るかで変わる
- 在留カードと会社の記録で10項目を書く
この3つを押さえれば、届出漏れと記入ミスの大半は防げます。この記事では、対象者の範囲から様式と期限、記入項目、出し方、罰則、2026年と2027年の変更点まで順に説明します。
この記事は、出入国在留管理庁・厚生労働省などの公的資料を2026-11-08時点で確認して書いています。制度は改正が続いているため、提出の前に最新の様式をご確認ください。
ここがポイント
外国人雇用状況届出書は、外国人を雇い入れたときと離職したときに、ハローワークへ出す届出です。雇用保険に入る人は雇用保険の届出で兼ねられ、入らない人は様式第3号を翌月末日までに出します。在留カードを見て氏名・在留資格・在留カード番号などを正確に書き、離職時も忘れずに出すことが大切です。
外国人雇用状況届出書とは|雇入れと離職のたびに出す法律上の届出
外国人雇用状況届出書は、外国人を雇い入れたときと離職したときに、事業主がハローワーク(公共職業安定所)へ出す書類です。根拠は労働施策総合推進法(雇用を安定させるための法律)の第28条です。

会社の規模や業種に関係なく、すべての事業主に義務があります。届け出る内容は、その方の氏名・在留資格・在留期間などです。在留資格(日本で活動するための資格)は在留カードで確認します。
ハローワークはこの情報をもとに、事業主への助言や、離職した方の再就職支援を行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠となる法律 | 労働施策総合推進法 第28条 |
| 出す人 | 外国人を雇うすべての事業主 |
| 出すとき | 雇い入れたとき・離職したとき |
| 出す先 | 管轄のハローワーク |
| 怠った場合 | 30万円以下の罰金 |
届出の件数:全国で約257万人分が集まっている
厚生労働省のまとめでは、2025年10月末時点の外国人労働者数は2,571,037人でした。外国人を雇用する事業所は371,215か所です。どちらも、届出が義務になった2007年以降で最多の数字です。
外国人雇用状況届出書の対象者|特別永住者・外交・公用を除く全員
対象は、日本国籍を持たないすべての方です。例外は特別永住者(戦前から日本に住み、平和条約で日本国籍を離れた方とその子孫)と、在留資格が「外交」「公用」の方だけです。この3つに当たらなければ、雇う形や期間に関係なく届出が必要です。
正社員だけでなく、アルバイトや短期の雇用も対象です。留学生のアルバイトも、資格外活動許可(本来の活動のほかに働く許可)を確認したうえで届け出ます。派遣で働く方も対象で、派遣元の事業主が届け出ます。
対象かどうかの早見表:雇う形ではなく在留資格で決まる
| 雇う方 | 届出 | 補足 |
|---|---|---|
| 正社員・契約社員 | 必要 | 雇用保険の届出で兼ねられる |
| アルバイト・パート | 必要 | 雇用保険に入らなくても必要 |
| 留学生のアルバイト | 必要 | 資格外活動許可を確認する |
| 永住者・日本人の配偶者等・定住者 | 必要 | 日本国籍を取っていなければ外国人 |
| 派遣で受け入れる方 | 必要 | 派遣元が届け出る |
| 特別永住者 | 不要 | 届出制度の対象外 |
| 在留資格「外交」「公用」 | 不要 | 届出制度の対象外 |
見落としやすい点:日本人と結婚していても対象になる
日本人と結婚している方は、「日本人の配偶者等」の在留資格を持つことが一般的です。厚生労働省のQ&Aでは、日本国籍を取得していない限り外国人として届出が必要とされています。「永住者」「定住者」の方も同じです。
一方で、氏名や言語から外国人と判断できないケースは別です。通常の注意力で外国人と判断できない場合は、確認や届出をしなくても法律違反には問われません。ただし、外国人と判断できるのに確認しなかった場合は、指導や勧告に加えて罰金の対象になります。
外国人雇用状況届出書の様式と期限|雇用保険に入るかで2通り
届出の方法は、その方が雇用保険の被保険者(雇用保険に入る人)になるかどうかで分かれます。使う様式、期限、出す先のハローワークがそれぞれ違います。まずどちらに当たるかを決めてください。
| 区分 | 雇い入れたとき | 離職したとき |
|---|---|---|
| 雇用保険に入る方 | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)/翌月10日まで | 雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)/翌日から10日以内 |
| 雇用保険に入らない方 | 外国人雇用状況届出書(様式第3号)/翌月末日まで | 外国人雇用状況届出書(様式第3号)/翌月末日まで |
雇用保険に入る方:雇用保険の届出に書き足せば兼ねられる
雇用保険に入る方は、雇用保険の資格取得届と資格喪失届に国籍や在留資格などの欄を記入します。これを出せば、外国人雇用状況の届出を行ったことになります。別の書類を用意する必要はありません。
期限は雇用保険の手続きと同じです。雇い入れは翌月10日まで、離職は退職した日の翌日から10日以内です。出す先は、雇用保険の適用を受けている事業所を管轄するハローワークです。
雇用保険に入らない方:様式第3号を翌月末日までに出す
週の労働時間が短いアルバイトなど、雇用保険に入らない方は様式第3号を使います。期限は雇い入れ・離職とも翌月の末日までです。出す先は、その方が働く店舗や工場などの住所を管轄するハローワークです。
様式はハローワークの窓口のほか、厚生労働省の届出ページから入手できます。インターネットの外国人雇用状況届出システムから出すこともできます。
外国人雇用状況届出書の記入項目|8項目は在留カード・2項目は会社の記録
様式第3号に書く項目は10個です。①〜⑧(氏名・在留資格・在留カード番号など)は在留カード(2026年6月からの特定在留カードを含む)やパスポートを見て書き、⑨雇入れ・離職の年月日と⑩事業所の名称・所在地は会社の記録をもとに書きます。在留カードのコピーをハローワークに出す必要はありません。
| 項目 | どこを見て書くか |
|---|---|
| ①氏名 | 在留カードの氏名欄。通称名ではなく本名 |
| ②在留資格 | 在留カードの在留資格欄 |
| ③在留期間 | 在留カードの在留期間(満了日)欄 |
| ④生年月日・⑤性別・⑥国籍・地域 | 在留カードまたはパスポートの該当欄 |
| ⑦資格外活動許可の有無 | 在留カード裏面の資格外活動許可欄など(雇入れ時のみ) |
| ⑧在留カード番号 | 在留カードの12桁の番号 |
| ⑨雇入れ・離職の年月日 | 会社の記録 |
| ⑩事業所の名称・所在地 | 働く店舗や工場など |
在留カード番号:12桁を正確に写す
在留カード番号は、英字2桁・数字8桁・英字2桁の12桁です。2020年3月1日以降に雇い入れ・離職した方の届出では、この番号の記載が必要です。写し間違いを防ぐため、記入したあとに在留カードと見比べてください。
在留資格の欄:特定技能は分野、特定活動は活動の種類まで書く
在留資格が「特定技能」の場合は分野を、「特定活動」の場合は活動の種類を書きます。どちらもパスポートに付いている指定書で確認します。
留学や家族滞在の方は、資格外活動許可の有無と、許可された活動の内容を確認します。留学生は原則として週28時間以内しか働けません。
注意
在留カードの偽造が見つかることがあります。出入国在留管理庁の在留カード等読取アプリケーションで読み取り、券面の記載と一致するか確かめてください。同庁の失効情報照会のページでは、番号が失効していないかも調べられます。不法就労をさせた事業主も、在留カードを確認していないなどの過失があれば処罰の対象です。
外国人雇用状況届出書の出し方|5つの手順
届出そのものは難しくありません。順番を決めておくと、採用のたびに迷わずに済みます。次の5つの手順で進めてください。
- 在留カードの提示を求める。 雇用契約の前に、在留カード(または特定在留カード・パスポート)を見せてもらいます。就労できる在留資格か、在留期限が切れていないかを確認します。
- 偽造と失効を確かめる。 在留カード等読取アプリケーションで読み取り、券面と見比べます。番号が失効していないかも照会します。
- 雇用保険に入るかを決める。 入る方は雇用保険の資格取得届、入らない方は様式第3号と、使う様式がここで決まります。
- 10項目を記入する。 在留カードを見ながら、氏名・在留資格・在留期間・在留カード番号などを書き写します。
- 期限までに提出する。 窓口かインターネットで、管轄のハローワークに出します。控えは保管し、離職のときも同じ流れで届け出ます。
インターネットで出す場合:初回はIDの取り方が2通りある
雇用保険に入る方の届出は、e-Gov(国の電子申請の窓口)から出せます。入らない方の様式第3号は、ハローワークインターネットサービスの外国人雇用状況届出システムを使います。24時間いつでも出せて、複数の方をまとめて届け出ることもできます。
過去に一度でも紙で届け出たことがある事業主は、画面から新しくIDを作れません。電子届出切替・変更申請書を、届出を行ったハローワークに出してから使います。初めて届け出る事業主は、システムの案内に沿って利用登録をします。
外国人雇用状況届出書の注意点|よくある失敗は3つ
届出を怠ったり、うその届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象です。法律では、担当者だけでなく会社にも同じ罰金が科されると定められています(第50条)。さらに、厚生労働大臣は事業主に報告を命じたり、立入検査をしたりできます(第43条)。
失敗1:離職のときの届出を忘れて、未届けのままになる
見落としやすい落とし穴は、入社時に出して安心し、退職時の届出を忘れることです。届出は雇入れと離職の両方で必要です。厚生労働省の自主点検表でも「離職した場合の届出も漏れなく提出している」が点検項目になっています。
失敗2:アルバイトや永住者を「対象外」と思い込む
「雇用保険に入らないから届出も不要」という思い込みが、届出漏れにつながります。雇用保険に入らない方こそ、様式第3号で別に届け出る必要があります。永住者や日本人の配偶者等の方も、日本国籍を取っていなければ対象です。
失敗3:在留カードを見ずに、通称名や古い情報で書く
氏名は、日常で使う通称名ではなく、在留カードどおりの本名を書きます。在留期間や在留資格は更新や変更で変わるため、採用時の最新の在留カードで確認します。届出の正確さを担う責任は、第一に事業主にあるとされています。
注意
期限内に同じ方が雇入れと離職をした場合や、短期間に何度も雇い入れた場合は、1枚の様式にまとめて書けます。届出が遅れていたことに気づいたときは、放置せず、管轄のハローワークに相談したうえで届け出てください。
外国人雇用状況届出書の最新動向|2026年6月と2027年4月の変更
届出のしくみは、2026年から2027年にかけて段階的に変わります。すでに始まった変更と、これから始まる変更を分けて押さえてください。
| 時期 | 変わること | 会社がすること |
|---|---|---|
| 2026年6月14日 | 在留カードとマイナンバーカードが一体になった特定在留カードの運用開始。在留カードの券面も変更 | 記載位置が違うため、見比べながら転記する |
| 2026年6月14日 | 雇用管理の指針で、読取アプリケーションによる確認が適切と明記 | 採用時の確認手順にアプリを組み込む |
| 2027年4月1日 | 様式第3号の新様式に切り替え。育成就労制度の開始 | 新様式に差し替える |
2026年6月の変更:特定在留カードと読取アプリケーション
2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードがひとつになった特定在留カードが始まりました。通常の在留カードとは項目の位置が違うため、確認のときに注意が必要です。同じ日の交付分から、通常の在留カードの券面も変わっています。
2027年4月の変更:新様式と届出事項の見直し
厚生労働省は、2027年4月1日から使う様式第3号の新様式を公開済みです。同じ日に、育成就労制度(技能実習に代わる新しい制度)が始まる予定です。2026年5月の告示案では、特定技能の分野などの記載を届出事項から外す見直しも示されています。
よくある質問
短期のアルバイトが届出の期限前に辞めた場合、雇入れと離職を別々に出しますか
まとめて1枚で出せます。様式第3号には雇入れ日と離職日の両方を書く欄があるため、両方を記入して届け出てください。同じ方を期限内に何度か雇い入れた場合も、それぞれの日付を書いてまとめられます。
派遣で外国人の方を受け入れている場合、届出は派遣先と派遣元のどちらが出しますか
届出を出すのは、雇用関係のある派遣元です。様式第3号の場合は、派遣元の事業所を管轄するハローワークに届け出ます。登録型の派遣では、派遣先が決まって雇用関係が生じるたびに雇入れの届出が必要です。
届出のときに在留カードのコピーを添付する必要はありますか
添付は不要です。事業主が在留カードなどで内容を確認し、記載どおりに届け出るしくみだからです。ただし記載内容の正確さは事業主の責任とされているため、確認した日付と内容を社内で記録しておくと安心です。
まとめ
外国人雇用状況届出書は、外国人を雇い入れたときと離職したときに、ハローワークへ出す法律上の届出です。対象は特別永住者と「外交」「公用」を除くすべての外国人で、アルバイトや永住者も含まれます。怠ると30万円以下の罰金の対象になります。
様式と期限は、雇用保険に入るかどうかで決まります。入る方は雇用保険の資格取得届・喪失届で兼ねられ、入らない方は様式第3号を翌月末日までに出します。記入は在留カードを見ながら、本名・在留資格・12桁の在留カード番号を正確に写すことが基本です。
2026年6月には特定在留カードが始まり、2027年4月には新様式と育成就労制度が控えています。「在留カードを確認し、様式を決め、期限までに出す」流れを決めておけば慌てません。離職時の届出まで含めて、社内の手順書に残しておきましょう。
この記事のまとめ
- 対象は特別永住者・外交・公用を除く全員で、怠ると30万円以下の罰金
- 雇用保険に入る方は雇用保険の届出で兼ね、入らない方は様式第3号を翌月末日まで
- 8項目は在留カード、2項目は会社の記録で書き、離職時も忘れずに届け出る
出典・参考にした公的資料
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html
- https://www.mhlw.go.jp/content/001261965.pdf
- https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132
- https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/qanda.pdf
- https://www.mhlw.go.jp/content/001711484.pdf
- https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001700338.pdf
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68794.html
- https://www.moj.go.jp/isa/content/001373850.pdf
制度は改正されることがあります。手続きの前には、必ず最新の公的情報をご確認ください。